年末の大掃除
一年の終わりにあたり、今回の旅で「モノの所有」について私が感じたことを紹介したいと思います。我が家に到着したとき、この家がまるで「見知らぬ」場所のように感じました。私たちはこの我が家から離れていたのはわずか3年半でしたが、家具、収集品、家庭用品、そして自分の服に至るまで、ほとんどの所有物に覚えがなかったのです。私たちの家は2階建てで、増築部分が隣接しています。部屋を回りながらクローゼットを開けると、覚えのないものがさらに出てきました。これはどこから来たのだろう?と自問を繰り返しました。確実に言えるのは、空の彼方から我が家にやって来たわけではありません。
30年来の精神的実践を行ってきた私は、必要なものを必要なだけ所有することを心がけていると自負しています。例えば、衝動買いをしないよう買い物リストを作っています。また、物を溜め込まないように、毎月パントリーやクローゼットを片付けています。ですが目の前にあるモノを見た時は「いつ、何のために買ったのだろう」とモヤモヤしました。それらをもう一度、すべて見直し、判断しなければいけません。考えただけで圧倒されました。
1カ月以上かけて、毎日少しずつ家の中を片付けていきました。ひとつひとつの品物をじっくりと眺めながら、初めて手にした時のことを思い出しました。その多くは、私たちがマンハッタンで骨董品ディーラーをしていた何十年も前のもので、ビジネスのために手に入れたものです。また、私たちのライフスタイルも当時とはかなり違っていました。私たちは三軒の家を持っていて、常に多くの来客がありました。そのため、家庭用品のセットがたくさんありました。旅に出ることが多かったため、洋服も同様です。だんだんパターンが見えてきました。無意識のうちにこういった過去が今の自分を形成しているように感じていて、だからこれらの品物に執着していたのです。アメリカでの生活はとても充実していて、自分の役割をきちんと果たしていた。そんな記憶を持っていたかったので、遠いマンハッタンからわざわざ香港まで持ち帰って保管し、ついには京都の家に置いたのです。素敵な思い出の品ではあるけれど、今の私はもう、昔の自分に縛られてはいません。だから、所有する必要はなくなっていました。
今回のパンデミックは、自分の身を削るような思いをせずに物的な所有物をもっと減らすことができるのだということを教えてくれました。この3年半、私たちは自宅の4分の1の広さの香港のアパートで快適に暮らしてきました。この家で過ごす時間が長くなった今、過去の意識ではなく、今の意識に相応しい生き方を実現してゆくことができます。魂の面からもう一度自分を見つめ直す機会が持てたことに、心から感謝しています。

ディライト・ノート
私たちの肉体と精神は物質的なものを必要としますが、魂が真に必要としているのは光だけです。物質を所有することは、まったく問題ありません。物質的な所有物は私たちのニーズを満たすだけでなく、喜びと楽しみを与えてくれます。しかし、私たちが物に執着し、魂のニーズを無視して追求し始めると、私たちの人生はバランスが崩れ、何かが欠けるのです。
掃除するときは、自分の所有物を見直しましょう。あなたは精神的に、あるいは感情的にどんな執着をしているか、考えましょう。多くの場合、執着は物自体に対してではなく、それらを持っていたいという欲求にあります。無くなることへの恐怖でしょうか? 自分のアイデンティティを手放すことの恐れ? 捨てるのが怖い? 私たちの内側に何をため込んでいるか、これが所有物として現れているのです。
- 目を閉じて、自分の魂に繋がりましょう。あなたがなぜ母なる地球にいるのか尋ねてください。
- 光の喜びの中で、私は自分の魂を尊重し、抱擁します。私は、魂の目的を果たすために生きています。